異方性エッチング

異方性エッチングとは

異方性エッチングとは、エッチングの反応が一方向に向かって行われることです。これにより、レジストの下をえぐることなく、エッジの立った加工が行えます。主にドライエッチングで異方性エッチングとなります。

異方性エッチングのメカニズム

異方性エッチングは、レジストに対して被エッチング膜が垂直に削れていきます。ドライのプラズマエッチング法を用いると、電場によってウエハに対して垂直な加工が可能になります。異方性エッチングは、レジストと被エッチング膜の寸法差がないため、フォトレジスト工程のマスクに忠実な加工が可能になります。異方性エッチングは狙い通りのパターンを形成することができるため、制御の面から等方性エッチングよりも精密な加工ができ、現在、主流のエッチング方法となっています。

等方性エッチングとの違い

異方性エッチングは、レジスト直下の膜がほとんど削れないのに対し、等方性エッチングはレジスト直下の膜が削れます。異方性エッチングの方が、より高精度な加工が可能であり、近年、半導体素子が微細化・高精度化が進んでいることから、異方性エッチングの方が主流となっています。

異方性エッチングになるケース

ウェットエッチング

ウェットエッチングは、主に洗浄装置の一部機能を使って化学的にエッチングを行うもので、すなわち金属やシリコンを溶かす薬液を使って削ります。薬液によってどの方向からもエッチングが進むため、基本的にウェットエッチングは等方性エッチングになりますが、エッチング液に添加剤を配合するなどの工夫により、異方性エッチングが可能になります。

ドライエッチング

ドライエッチングでは、エッチングガスと呼ばれる気体をプラズマ化することで生まれるイオンや高速中性粒子、ラジカルなどを使用し、装置内に形成された電位差により、ガス中のイオンが基板に向かって垂直に加速されるため、一般的には異方性エッチングとなりやすいです。なお、ドライエッチングはエッチングガスをプラズマ化するために装置内を真空にする必要があり、ウェットエッチングより大掛かりな装置が必要になります。

異方性エッチングのメリット

異方性エッチングは、主にドライエッチングからなりますが、異方性エッチングでは、レジストのパターンが忠実に基板に転写されるため、微細なパターンを形成することが可能です。ドライエッチングは、ウェットエッチングでは形成できない精密なパターンを作ることができ、その精度はナノレベルです。主な用途としては、微細化が進んでいる半導体回路で、現在、その9割がドライエッチングで形成されています。近年の集積度の高いレジストパターンにおいては、エッチングにはパターンに忠実なことが要求されており、ドライエッチングは、要求を満たしていると言えます。

異方性エッチングのデメリット

異方性エッチングの主なエッチングとなるドライエッチングは、エッチングガスをプラズマ化するために装置内を真空にする必要があり、ウェットエッチングより大掛かりな装置が必要になってきます。また、使用するプラズマにより、基盤がダメージを受ける場合もあります。ドライエッチングは、ウェットエッチングでは形成できない精密なパターンを作ることができますが、時間当たりの処理能力が低く、大量生産には向いていません。また、導入や使用にかかるコストも高いというデメリットがあります。

異方性エッチングを行うにあたって

異方性エッチングとは、エッチングの反応が一方向に向かって行われることです。異方性エッチングは、エッチングガスと呼ばれる気体をプラズマ化することで生まれるイオンや高速中性粒子、ラジカルなどを使用し、装置内に形成された電位差により、ガス中のイオンが基板に向かって垂直に加速されるドライエッチングでなりやすいです。異方性エッチングは、レジストのパターンが忠実に基板に転写されるため、微細なパターンを形成することが可能です。ただ、大量生産には向いておらず、コストも高いです。

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