鋼や銅、アルミニウムなどの鋼板に、金型を押し当てて形を整える加工方法。作りたい形状に合わせたプレス機器が必要になりますので、加工工場が持っているプレス機と作りたい製品とがうまく合うことが必要となります。
軽い物や重たい物、大きいサイズから小さいサイズ、薄い厚いなど、様々な製品に対応できる凡庸性があります。一度金型を作ってしまうと、壊れない限り延々と作り続けることができるので大量生産向きです。
また、削って作るものではないので、スクラップの量が少ないです。加工材料を無駄にせず効率的に使うことができます。
プレス機によっては自動生産も可能。専用のシステムを作ってしまえば、24時間365日の稼働ができ効率的です。
人の手が不要になるので、事故の心配や仕上がりに差がでることもありません。作業の質を一定に保ち、検品作業の負荷を減らします。また、操作方法も難しいものではなく、特別なスキルがなくてもできるレベルで人を選びません。
プレス機と金型が必要なので、初期投資のコストが高額です。サイズが大きいと数千万円になることもあり、金型も含めて準備するまでに時間がかかります。
稼働してしまえばスピーディーに大量生産できますが、稼働するまでに時間とお金がかかります。
金型は一度作ってしまうと変更ができません。製品に変更があれば再度金型を作り直すことになり、時間もコストもかかります。
また、プレス機器を動かす専用システムの作成にも時間がかかります。
プレス加工と同様に、金属の薄板を加工できる方法としてエッチング加工があります。化学薬品による腐食作用を利用したエッチング加工とプレス加工との違いを紹介します。
試作において、プレス加工は金型が必要なため納期面やコスト面からみても不向きです。エッチング加工であれば、金型が不要なため、納期面及びコスト面でも有利と言えます。
一方で、プレス加工は量が多くなるほどコストメリットが高まります。エッチング加工も量産効果でコストは下がりますが、プレス加工の方が低コストに繋がります。
プレス加工では、プレス箇所においてバリが発生したり、押し付ける過程で反りが発生することがあります。
エッチング加工では、化学薬品による腐食作用を利用するため原理的にバリや歪みが発生しません。
精度の面ではエッチング加工の方が有利と言えます。
どちらも材質にも寄りますが、プレス加工の板厚は0.3㎜~5㎜程度。エッチング加工は0.005㎜~1.5㎜程度です。
薄いものはエッチング加工の方が、比較的厚いものはプレス加工の方が向いています。
プレス加工は金型の製作に時間やコストがかかりますが、その分大量生産になるとコストメリットが大きく出ます。
少量の生産で、かつ高精度を希望する場合は、エッチング加工を検討してみる良いでしょう。このサイトではエッチング加工について特集しているので、併せてご確認ください。
※選定基準…Googleにて「エッチング加工」と検索した際に表示されるエッチング加工会社27社の中から、ISO9001を取得している国内生産会社をそれぞれ以下の基準で選出しています(2022年2月3日調査時点)。
・まず相談するべきエッチング加工会社…1個から制作可能で、図面の設計~複合加工まで対応している会社
・大量生産対応のエッチング加工会社…大量生産可能で生産拠点が最も多い会社(5拠点)
・特殊素材対応のエッチング加工会社…最も対応している素材の種類数が多い会社(21種類)