エッチング加工では、エッチング液と呼ばれる薬剤が使われることになります。エッチング加工について理解を深めるためにも、エッチング液がどのようなものなのか、おさえておくべき処理方法と注意点について確認しておきましょう。
エッチング加工で必須ともいえる「エッチング液」とはどのようなものなのでしょうか。エッチング液の概要と種類について紹介します。
エッチング液とは、金属や金属酸化物を腐食させる作用を持つ薬剤であり、基板加工に使われているものです。エッチング加工には大きく分けて「ウェット加工」と「ドライ加工」があるのですが、このうちウェット加工においてエッチング液が使われています。
エッチング液は高価なものではありませんが、取り扱いに注意が必要で、使い終わったものは正しく廃棄しなければなりません。
エッチング液は、加工する金属に合わせてエッチング液の種類を使い分けていくことになります。強酸である塩酸や硝酸のほか、強塩基に分類される水酸化ナトリウムなどです。
塩化鉄(III)水溶液の場合、反応式は「2FeCl3+Cu→2FeCl2+CuCl2」となります。こちらのエッチングはコストが安く済むメリットがあるものの、廃液には多くの重金属が含まれることになるため、廃液処理コストについて注意しなければなりません。
他にも、選択するエッチング液によって反応式や特徴が異なります。
エッチング液は、正しい処理方法と取り扱い方法について十分理解した上で扱う必要があります。基本的のエッチング液の処理方法と取り扱う際の注意点について紹介します。
エッチング加工では酸性・アルカリ性の溶液を使用することになるため、ただの水道水などとは異なり、廃液として正しく処理しなければなりません。
例えば、銅のエッチングをする場合、使用されるのは塩化第二鉄です。エッチングを加工することにより塩化第二鉄の中に銅が溶けだし、有害な塩化銅へと変化します。塩化銅のままでは廃棄できないため、廃液処理をして無害にしなければなりません。
方法としては、廃液に消石灰を加え、水酸化銅と塩化カルシウムに分解させます。塩化カルシウムは無害ですが、水酸化銅については有害であるため、加熱をして無害な酸化銅と水に分解してから処理します。
エッチング液は処理する時だけではなく、取り扱いにも注意が必要です。腐食作用を持っていることから、誤って素手で触れると皮膚腐食の恐れがあります。さらに、銅のエッチングにはペルオキソ二硫酸アンモニウムが使われているのですが、呼吸器に影響があるほか、可燃物と混合すると激しく燃焼してしまいます。
他にも、エッチング液の中には人体の体に悪影響をもたらすものがあるため、十分注意しておかなければなりません。
それだけではなく、正しく処理することなく海や川などに流出してしまった場合、大規模な水質悪化を招いてしまうこともあります。場合によっては水生生物の大量死に繋がってしまうこともあるでしょう。
このことから、エッチング液を取り扱う方や処理する方は、危険なものを取り扱っているといった認識を強く持つことが重要です。
エッチング加工会社を選ぶ際に、「初めてでどこに依頼して良いかわからない」「依頼した会社に断られてしまった」「そもそもエッチング加工で良いかもわからない」そんな“困った”はありませんか?
このサイトでは、あなたの会社の困りごとに応える会社をご紹介しています。
加工会社への依頼を検討している方は、ぜひチェックしてみてください。
※選定基準…Googleにて「エッチング加工」と検索した際に表示されるエッチング加工会社27社の中から、ISO9001を取得している国内生産会社をそれぞれ以下の基準で選出しています(2022年2月3日調査時点)。
・まず相談するべきエッチング加工会社…1個から制作可能で、図面の設計~複合加工まで対応している会社
・大量生産対応のエッチング加工会社…大量生産可能で生産拠点が最も多い会社(5拠点)
・特殊素材対応のエッチング加工会社…最も対応している素材の種類数が多い会社(21種類)