化学薬品で金属に腐食反応をおこし、複雑・微細な形状に加工することができるエッチング加工。ここではエッチング加工のメリットとデメリットを分かりやすく解説します。
エッチング加工では、プレス加工のような高価な金型が必要ありません。比較的高価になりがちな専用機器を使うレーザー加工に比べても、製造コストが高くなりすぎる心配がないなど、イニシャルコストの大幅削減が可能です。
また、金型の設計・作成工程がないので、小ロット品や多品種を低コストかつ短納期で生産することができます。
パターンの変更が必要な際も、金型を作っているわけではないので、容易に変更できます。作業時間も短縮できるので、試作品も作りやすいです。数量や加工内容によってはかかる時間もレーザー加工より短く、短期間での製造・出荷が可能です。
腐食作用による溶解加工を行うエッチング加工は、プレス加工やレーザー加工などで懸念されるバリ・カエリ・ひずみ・たわみなどが発生しません。
薄板加工や複雑な形状の製品にも使え、写真技術の応用から非常に繊細なパターンもきれいに再現します。特に小さく細かい穴の加工に向いている加工方法です。
複数の同時加工はできるものの、工数が多く加工時にかかるコストが高くなるため、小ロット・多品種での量産には向いていますが、大量生産には不向きです。
しかしながら、海外に工場を設けることで人件費を安く抑える工夫をしている会社や、ロールtoロールという大量生産が可能な設備を導入している会社もあります。大量生産を依頼したい場合は、このような点に着目して加工メーカーを探すと良いでしょう。
エッチング加工では化学薬品で腐食させることで加工を可能にしているので、板厚は薄いほど有利。逆に厚板には不向きです。厚くなればなるほど角の丸みや加工断面のテーパー形状が大きくなるため、加工精度も悪くなります。
材料により最大厚板は異なりますが、大体2㎜までです。 各メーカーによって対応できる素材や厚さが異なりますので、事前に確認が必要です。
エッチング加工は、プレス加工のように金型の設計・作成などがないのでイニシャルコストがかからず、低コスト・短期間での製造・出荷が可能。試作品づくりに非常に向いている加工と言えます。
ただ、大量生産や厚板ほど不利になるデメリットも。取り扱い材料など条件に合わせた、エッチング加工メーカーを探す必要があります。
エッチング加工会社を選ぶ際に、「初めてでどこに依頼して良いかわからない」「依頼した会社に断られてしまった」「そもそもエッチング加工で良いかもわからない」そんな“困った”はありませんか?
このサイトでは、あなたの会社の困りごとに応える会社をご紹介しています。
加工会社への依頼を検討している方は、ぜひチェックしてみてください。
※選定基準…Googleにて「エッチング加工」と検索した際に表示されるエッチング加工会社27社の中から、ISO9001を取得している国内生産会社をそれぞれ以下の基準で選出しています(2022年2月3日調査時点)。
・まず相談するべきエッチング加工会社…1個から制作可能で、図面の設計~複合加工まで対応している会社
・大量生産対応のエッチング加工会社…大量生産可能で生産拠点が最も多い会社(5拠点)
・特殊素材対応のエッチング加工会社…最も対応している素材の種類数が多い会社(21種類)