リードフレームには、小信号トランジスタ用、パワートランジスタ用、光デバイス用、IC用など様々な品があり、私たちの生活で欠かすことができない部品です。ここではリードフレームの加工方法と加工事例を紹介します。
リードフレーム(lead frame)とは、半導体パッケージで半導体チップ(半導体素子)を支持・固定し、複数の外部接続端子「アウターリード」外部配線と接続する部品。
この薄板には、Cu合金(銅合金)系素材や鉄合金系素材などが使われており、加工方法としてはエッチング加工とプレス加工が挙げられます。
エッチング加工では金属板の両面にフォトレジストパターンを形成し、薬剤でエッチングして、半導体素子搭載部・インナーリード・アウターリードを固定する外枠部を成型。リードフレームの形状が成型しやすく、デザイン変更が容易となっています。少量・短納期での加工が可能です。
一方で、少量生産向きなので、生産効率が悪くコストが割高になってしまう傾向があります。
加工工程では、順送りに部分的に抜く工法が用いられており、金型にはタングステンカーバイドなどの超硬金属が用いられています。
大量生産が可能なのでコストの低減が期待できますが、プレス金型の費用がかかり、プレスに適合させるためデザインの変更が必要になる場合もあります。また、抜き打ち後の残留歪によるトラブルが懸念事項となっています。
試作品を作成するなら、金型が不要でバリや歪みの発生がなく短納期に繋がりやすいエッチング加工がおすすめです。
なお、このサイトではエッチング加工会社選びを特集しています。 リードフレームの試作をどこに依頼するか検討中の方はぜひチェックしてください。
依頼するべきエッチング加工会社がすぐわかる!
エッチング加工会社3選
リードフレームの形状を成型しやすく、変更があった際も簡単に対応できるエッチング加工による加工事例を紹介します。
エッチング加工でリードフレームを作成し、鍍金(メッキ、めっき)加工で金属の薄膜を形成した表面処理を施します。
鍍金には電解鍍金と無電解鍍金の2種類を使用しており、これを使用することで耐摩耗性、耐腐食性、潤滑性、見栄えを良くしています。 使用する薄材には、電気伝導性が優れている銀(Ag)鍍金が多く、耐熱性が必要な場合はニッケル(Ni)鍍金を下地に使うなど、用途に応じた選択ができます。
ICやLSIなどの半導体パッケージとして必要不可欠なリードフレーム。ICの高集積化や高速動作化が進みチップの発熱量が増加傾向にあることからも、チップに熱がこもらないようにする放熱対策などが求められるようになってきています。
そうした変化に柔軟に対応しやすいのはエッチング加工です。プレス加工のように金型を作る必要がなく、試作品も作りやすいので、仕様変更も難しくありません。このサイトでは厳選したエッチング加工メーカーを紹介しているのでぜひ参考にしてください。
※選定基準…Googleにて「エッチング加工」と検索した際に表示されるエッチング加工会社27社の中から、ISO9001を取得している国内生産会社をそれぞれ以下の基準で選出しています(2022年2月3日調査時点)。
・まず相談するべきエッチング加工会社…1個から制作可能で、図面の設計~複合加工まで対応している会社
・大量生産対応のエッチング加工会社…大量生産可能で生産拠点が最も多い会社(5拠点)
・特殊素材対応のエッチング加工会社…最も対応している素材の種類数が多い会社(21種類)