初期費用を抑え、大量生産をしたいと考えた場合などに選択されるのが、フォトエッチング加工です。生産性が高いだけではなく、難削材に対する加工にも対応しています。
通常のエッチング加工では不要な部分を除去するためにマスキングなどによる防食処理を施し、エッチング液などの腐食剤を使用して加工します。 フォトエッチング加工の「フォト」とは、精密な写真技術や精密画像技術などのことを指し、このフォトとエッチング加工技術を組み合わせたのがフォトエッチング加工です。
フォトエッチング加工は、非常に微細な加工に対応しています。
フォトエッチング加工には、通常のエッチング加工にはない特徴がいくつかあります。代表的な特徴について2つ紹介します。
非常に複雑な形状の加工にも対応しているのが、フォトエッチング加工の大きな特徴です。ミクロン単位での細かい加工が可能であるため、通常のエッチングでは表現が難しいような加工にも対応できます。 これは、フォトの技術によって、加工形状を作っているからです。
凹凸があるような溝加工を行うためにはハーフエッチングと呼ばれる技術が使われており、フォトエッチング加工でもハーフエッチングに対応しています。ハーフ加工とも呼ばれるものであり、金属板材の片面側からのみエッチング加工することにより、凹凸のあるデザインを作る技術です。 エッチングしたいところと、したくないところを区別した上で加工することにより、ハーフエッチングができます。
フォトエッチング加工を選択するメリットとして、短納期での対応やバリやゆがみの軽減、対応できる金属が増えること、量産ができることなどのメリットがあります。それぞれについて解説します。
フォトエッチング加工では、短納期での加工に対応できます。これは、時間がかかる金型の原版作成を必要としない加工方法であるからです。 それでいて複雑な形状の加工にも対応できるため、さまざまな製品を製造する際に役立ってくれるでしょう。スピーディーな対応が求められる場合にも選択されています。
フォトエッチング加工は、化学反応や腐食といった技術を用いた加工方法です。そのため、プレス加工を選択した場合に問題となるバリや歪みなどがほぼ発生しません。 高い精度を必要とするような繊細なデザインの加工などにも役立てられています。
フォトエッチング加工は、実に幅広い金属に対応できる加工方法です。例えば、一般的には加工が難しいような小さな部品のほか、極薄板製品などにも対応できます。 このことから、繊細な加工が求められる電子部品、自動車部品、医療機器など、さまざまな産業で活用されている技術です。金属類だけではなく、ガラスなどの加工などにも用いられています。
フォトエッチング加工は、複数同時に加工ができるため、量産にも適している技術です。高い加工精度でたくさんの生産ができるのは、大きなメリットだといえるでしょう。
※選定基準…Googleにて「エッチング加工」と検索した際に表示されるエッチング加工会社27社の中から、ISO9001を取得している国内生産会社をそれぞれ以下の基準で選出しています(2022年2月3日調査時点)。
・まず相談するべきエッチング加工会社…1個から制作可能で、図面の設計~複合加工まで対応している会社
・大量生産対応のエッチング加工会社…大量生産可能で生産拠点が最も多い会社(5拠点)
・特殊素材対応のエッチング加工会社…最も対応している素材の種類数が多い会社(21種類)