通常のエッチングでは材料に貫通加工をおこないますが、ハーフエッチングは貫通させずに段差をつける加工です。普通、板厚の50~70%ほどの掘り込みとなり、貫通加工との組み合わせでさまざまな形状を作ることができます。
ハーフエッチングは素材の両面に同パターンの形状をエッチングするのではなく、素材の片面もしくは厚みの途中までと、それぞれの面で必要な部分だけにエッチングする加工方法です。通常の半分の加工となるため、「ハーフ」と名付けられています。
また、複雑なデザインを施すだけでなく、板厚の半分をエッチングしてポケット状にするなど、貫通加工せずに深さを調整する事も可能です。通常、ポケットの深さは板厚の50~70%ほどとなります。
段差を形成しロゴや刻印を施すことも可能。ステンレス、銅、アルミ、鉄、Ni合金(コバール、42アロイ、アンバー)、珪素鋼板、銀、チタン、モリブデン、タングステン、アモルファス、パーマロイなど、さまざまな特殊素材で請け負っています。
細かいドットやラインの組み合わせで、さまざまなデザインの加工が可能。また、鏡面材やヘアライン材を使用する、加工後にメッキや表面処理をするなど、装飾においても幅が広いです。携帯電話やノートパソコン、自動車の内装部品など、身近にある電化製品で用いられています。
材料の板厚0.5mm、外径8.5cm、内径6cmの円形製品の表面をパターンで装飾。通常の貫通させるエッチングも合わせた2段彫りにも対応しています。2段彫りでは、指定された深さで施した後に別パターンで指定の深さにすることで、正確な寸法での完成を可能にしています。
2部品以上の薄板部品の接合において、位置を決めて溶接個所にハーフエッチングを施し、材料への溶接負荷を軽減しています。同時に、大体の溶接場所も決められます。
単純にパターン形状を貫通加工する通常の貫通エッチング加工だけでなく、貫通させずに段差を作るハーフエッチングを組み合わせることで、より複雑なデザインや仕様ができるようになります。
ハーフエッチングでどこまで対応できるかは、会社によって差があります。製作したい品の条件に合う会社を選ぶようにしましょう。
※選定基準…Googleにて「エッチング加工」と検索した際に表示されるエッチング加工会社27社の中から、ISO9001を取得している国内生産会社をそれぞれ以下の基準で選出しています(2022年2月3日調査時点)。
・まず相談するべきエッチング加工会社…1個から制作可能で、図面の設計~複合加工まで対応している会社
・大量生産対応のエッチング加工会社…大量生産可能で生産拠点が最も多い会社(5拠点)
・特殊素材対応のエッチング加工会社…最も対応している素材の種類数が多い会社(21種類)