基板には銅・アルミやクロム・ニッケル・鉄鋼・ステンレス鋼などを化学反応で腐食させるエッチングが使用されています。この記事では、基板の加工方法について詳しく解説します。
基板を加工する代表的な方法は、サブトラクティブ法とアディクティブ法があります。それぞれの加工方法についてみていきましょう。
銅箔で全体を覆われた基板に対して行う加工方法で、配線回路以外の銅箔をエッチング加工して回路を作ります。まず、銅張積層板(CCL)を使用し、腐食させない箇所をエッチング液が侵食しないよう材料で覆いマスキングします。その後、塩化第二鉄液などの銅を溶かすエッチング液を使用して、マスキングしていない箇所の銅箔を腐食させる仕組みです。
英語で引き算を意味するサブトラクト(subtract)から名付けられた加工方法で、平坦な基板を形成するときに用いられます。精度が高い加工法ですが、配線幅と配線幅を広く確保しなければなりません。
アディクティブ法は、銅箔で覆っていない基板の表面に銅などの金属を導体として配線パターンを作る方法です。必要な部分のみを銅メッキして、配線パターンを形成します。
絶縁体に配線パターンを形成する方法をフルアディクティブ法、基板の材料全面に銅を使った上でサブトラクティブ法で加工する方法をセミアディクティブ法と呼びます。アディクティブ法は、サブトラクティブ法より精度の高い加工方法です。
フレキシブル基板(高精細FPC)に対し、サブトラクティブ法・無電解金属析出・電解メッキ、そしてエッチングを併用し、セミアディティブ法などで対応しています。
ケミカルエッチングでは、薬品によって1度に数箇所へと穴を開けられます。レーザーと比較してコストカットでき、自由度が高いのが特徴です。
さらに微細ポリイミドエッチング加工によって、5μmからの微細加工も可能となっています。
パワーモジュールとは、電気を直流から交流に変換したり、その逆に交流から直流に変換する際や、電圧を高めたり低くしたりする際、電力を効率良く制御できるデバイスです。
こちらのパワーモジュールでは、1mmの暑さがある銅材にガラエポ樹脂を貼り合わせ、片面のみエッチング加工を行っています。
材質は銅が主流となっていますが、アルミニウムを用いることも可能です。
高放熱セラミックス基板に、半導体デバイスの性能を向上させるメッキ技術がほどこされています。
回路形成工法へは、回路表面がフラットで、表面実装性に優れたサブトラクティブ法を採用しているのが特徴です。
素材表面にシード層を形勢し、電気メッキをほどこしたあと、レジストを形成。その後にエッチング加工を行い、レジストを除去するという過程を経て基板が製造されています。
片面基板、両面基板、フレキシブル基板などに対応しており、設計・データー編集・マスク作成・NC穴加工・銅メッキ・露光と焼付、そしてエッチングからレジスト処理、シルク印刷・表面処理・外形加工・検査と出荷までが一貫して行われています。
キャビティ基板ではプリント基板の一部に凹みをほどこし、チップ部品などを実装して小型化が実現できます。と同時に凹み部分にボンディング金でメッキ加工を行えるなど、用途に合わせた構造が提供されています。
基板のエッチングは、サブトラクティブ法・アディクティブ法が一般的ですが、どのような配線パターンを形成するのか、どの程度の精度が必要なのかによって最適な加工方法が異なります。どちらの場合も薬剤を使用しますので、作業する際は十分に注意しましょう。
※選定基準…Googleにて「エッチング加工」と検索した際に表示されるエッチング加工会社27社の中から、ISO9001を取得している国内生産会社をそれぞれ以下の基準で選出しています(2022年2月3日調査時点)。
・まず相談するべきエッチング加工会社…1個から制作可能で、図面の設計~複合加工まで対応している会社
・大量生産対応のエッチング加工会社…大量生産可能で生産拠点が最も多い会社(5拠点)
・特殊素材対応のエッチング加工会社…最も対応している素材の種類数が多い会社(21種類)