基板を実装する際、エッチング加工で作製したメタルマスクが使用されます。エッチング加工によるメタルマスクとはどのようなものかを詳しく説明します。またエッチングでメタルマスクを作製するメリットについてもまとめました。
プリント基盤にはコンデンサーや抵抗などさまざまな部品が実装されていますが、以前は手作業によるはんだ付けを行っていました。電子機器の小型化が進んだ現在では、メタルマスクを用いてはんだを流し込み、効率良く部品実装を行っています。
エッチング加工で形状を作製したメタルマスクを使用することで、基板を遮蔽して配線や印刷したい材料を流し込んでパターンを形成できます。メタルマスクを使うと同じパターンを繰り返し生産でき、品質の安定や生産上でのコスト削減に繋がります。
プリント基板や通信・半導体機器など、さまざまな分野の製造ラインで使用されています。
エッチングでメタルマスクを作製すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。メリットごとに詳しく説明します。
レーザー加工と比較してみると、レーザー加工は熱を加えながら加工をするため穴数が多くなる場合、金属材料に熱ダメージが蓄積されてしまい加工後に反りや歪みが発生することがあります。
一方、エッチングでメタルマスクを作製することは、金属を腐食させて形状を作製するケミカル加工ですので、金属材料へのダメージが少なく、反りや歪みを最小限に抑えることができます。
結果的に不適合品が削減され、品質が向上します。
対象の基板の形状が、わずかに突起がある場合など、突起を避けるようにマスクを作製することを検討する必要があります。エッチング加工では、パターンの設計でメタルマスク自体に段差をつけることで基板の突起を回避することができます。
一般的には段差加工では切削加工で削る方法がとられますが、貫通させずに厚みの途中まで腐食させるハーフエッチング加工を利用すれば、容易に段差形状の作製ができます。
プリント基盤や通信・半導体機器などさまざまな分野の製造ラインで、エッチング加工によるメタルマスクが使用されています。エッチング加工で形状を作製したメタルマスクを使うことで、基板上に配線や印刷の材料を流し込み、パターンを形成できます。
メタルマスクを使うことで同じパターンを繰り返し生産でき、さらには金属ダメージが少なく不適合品を最小限に抑えられるため、品質の向上、安定した品質を実現するために、メタルマスクは欠かせない治具といえるでしょう。
※選定基準…Googleにて「エッチング加工」と検索した際に表示されるエッチング加工会社27社の中から、ISO9001を取得している国内生産会社をそれぞれ以下の基準で選出しています(2022年2月3日調査時点)。
・まず相談するべきエッチング加工会社…1個から制作可能で、図面の設計~複合加工まで対応している会社
・大量生産対応のエッチング加工会社…大量生産可能で生産拠点が最も多い会社(5拠点)
・特殊素材対応のエッチング加工会社…最も対応している素材の種類数が多い会社(21種類)