身近な銅といえば、10円硬貨やオリンピックの銅メダルが挙げられます。このサイトでは、そんな銅の特徴や銅をエッチング加工した事例などを紹介します。
様々な加工で身の回りの製品から工業・医療・船舶・建築業と使われている銅には、青銅や純銅、真鍮(黄銅)、白銅、洋白、クロム銅、ベリリウム銅など、多数の種類があります。
その見た目は深みのある飴色でアンティーク感があるなど、美しい色合いで装飾品としても人気があります。
銅は柔らかく伸ばしたり押しこんだりと形を変えやすいことからも、銅線、銅板、銅管、銅棒と多種多様な製品に加工されています。
錆びにくくもあるので、屋根や船のスクリューなど水に触れる場所でも使われています。
また、銅は熱が伝わりやすく電気を通しやすい性質があるので、熱交換器や電子機器の材料としても重宝されています。エアコン、冷蔵庫、パソコン、携帯電話には欠かせない金属です。
熱伝導率の高い銅製の放熱板(ヒートシンク)です。
エッチングの高い加工自由度を活かして、ディンプルやエンボス、スリット、フィン形状を形成し、表面積を増やすことで放熱性を高めています。
パワーモジュールとは、電気を直流から交流、交流から直流に変換する、あるいは電圧を高くしたり、低くしたりすることで、電力を効率よく制御するデバイスです。
近年、パワーモジュールは絶縁層において機械的な強度を高くすること、また熱抵抗を低減する為に絶縁層を薄くし、銅の厚みを厚くする傾向にあります。
こちらは銅にフォトエッチング加工した事例です。フォトエッチング加工とは写真製版のプロセスを応用し、腐食(エッチング)させたくない部分に耐食膜を作ることで、それ以外の部分にエッチングをほどこす技術です。
銅は耐熱性・耐食性が優れている上に、金属光沢が美しく、さらには加工がしやすいという特徴もあって、エッチングに向いています。
フォトエッチング加工により銅板にエッチングをほどこした事例です。
化学薬品による腐食作用によって塑形(トリミング)や表面加工(ハーフエッチング)が行われています。
エッチャー(エッチング加工機)により、エッチング液をシャワーすることで材料が露出した部分のみに加工をほどこすことができます。
こちらではフォトエッチングのクオリティを高めるため、露光の際のクリンルームもあります。
エッチング加工は単一金属のほか、異なる金属を組み合わせたクラッド材などさまざまな材質への加工が可能です。
銅による単一金属エッチングでは、15μmや25μmなど、異なる開口幅であっても、同一の深さで加工をほどこすことが可能です。
また、クラッド材を用いることにより、穴の上部と底を同じ大きさにすることもできます。
銅のエッチングには、主に塩化第二鉄(FeCl₃)が使われます。銅は塩化第二鉄に触れることで塩化銅(CuCl₂)が生成されますが、塩化銅は有害物質でもあるので排水がPRTR法で厳しく制限されています。無害化してからの排水となり、決められた廃液処理をおこなう必要があります。銅の特徴だけでなく、取扱い方法にも詳しい会社を選びましょう。
このサイトでは、初めてエッチング加工を依頼するなら、大量生産を依頼するならなど、ニーズに合ったおすすめの会社を紹介しているのでぜひ参考にしてください。
※選定基準…Googleにて「エッチング加工」と検索した際に表示されるエッチング加工会社27社の中から、ISO9001を取得している国内生産会社をそれぞれ以下の基準で選出しています(2022年2月3日調査時点)。
・まず相談するべきエッチング加工会社…1個から制作可能で、図面の設計~複合加工まで対応している会社
・大量生産対応のエッチング加工会社…大量生産可能で生産拠点が最も多い会社(5拠点)
・特殊素材対応のエッチング加工会社…最も対応している素材の種類数が多い会社(21種類)