エッチング液などの化学薬品で腐食作用を起こし、複雑かつ微細な形状への加工を行うエッチング加工。ここではそんなエッチング加工の技術を利用している業界について、事例を紹介していきます。エッチング加工技術を利用した機器や部品の製造ニーズがある方で、業者選びにお悩みの場合にはぜひ参考にしてください。
エッチング加工の技術を使用している業界にはさまざまなものがあり、半導体をはじめとした電子部品・電気部品や自動車部品、医療機器など幅広い業界で活躍しています。画像も用いながら、より個別具体的な事例について紹介・解説していきます。
エレクトロニクスは「電子工学」ともいい、トランジスターや電子管、レーザーなどのように電子の持つ運動エネルギーや位置エネルギーなどを用いる事で電気信号の発生・増幅・制御を行う素子、いわゆる電子デバイスを中心とする光学の分野を示します。この分野においてもエッチング技術を用いたさまざまな製品・部品が製造されますが、以下に紹介する有機ELメタルマスクは低分子有機ELディスプレイのRGBや電極を蒸着するための金属メタルマスクとなっています。
航空宇宙業界では耐食性や耐熱性に優れているインコネルやハステロイなどの高耐食合金が用いられることがあります。耐食性や耐熱性に優れているということは宇宙空間における安全性の確保に貢献する一方で繊細な加工が難しいことから難切削素材としても知られています。従来の加工方法では求める水準の加工が難しいような素材を取り扱うことになるのですが、新たな薬液として毒性の強いフッ化水素酸を含まない薬剤も開発されるなど、技術の発展も進みつつあります。
自動車業界においてもさまざまな部品などにエッチング加工技術が用いられますが、ここで紹介するのはガラスエッチングです。車上荒らしや盗難防止として自動車ガラスに車体番号をエッチングすることがあり、車両盗難が多発する米国などでも多く用いられている技術です。ガラスエッチングを行うことにより、偽造も消去もできない番号が刻印され、窃盗犯が転売などをするためには全てのガラスを交換しなければならなくなります。これだけのリスクを負ってまで盗難することは考えにくく、エッチング技術がセキュリティを高める結果に繋がります。
医療機器業界ではフォトエッチング技術を用いた加工を行った製品が使用されています。フォトエッチング加工の技術は極小・極薄・極細部品や特殊な形状の製品を製造するのにより適した技術であり、レーザーやプレス・切削・電鋳などの加工法に比べるとバリやゆがみが少なく高精度な仕上がりが期待できます。ミクロン単位の微細・複雑な加工が可能な技術であることから、頭蓋プレートやカテーテル、マイクロニードルなどの製造に用いられています。
エッチング加工にはさまざまな加工法があり、それぞれに特徴やメリット・デメリットが存在します。製造する部品やエッチング加工を行う目的から適した加工法を選び、その加工法を得意とする業者や豊富な実績を持つ業者を選ぶようにしましょう。このサイトではエッチング加工に対応できる業者を紹介しています。加工依頼先をお探しの方は、ぜひ比較・検討してください。
※選定基準…Googleにて「エッチング加工」と検索した際に表示されるエッチング加工会社27社の中から、ISO9001を取得している国内生産会社をそれぞれ以下の基準で選出しています(2022年2月3日調査時点)。
・まず相談するべきエッチング加工会社…1個から制作可能で、図面の設計~複合加工まで対応している会社
・大量生産対応のエッチング加工会社…大量生産可能で生産拠点が最も多い会社(5拠点)
・特殊素材対応のエッチング加工会社…最も対応している素材の種類数が多い会社(21種類)